
【個展のお知らせ】
小内光 個展
安全な孤独について
osanaihikari solo exhibition
“On safe solitude”
🥛会期
2025年4月5日(土)〜28日(月)
⚫︎本屋営業日=金土日月 13:00〜18:00
⚫︎宿泊営業日=会期中無休
※宿泊は1日2組まで、要予約。
🧩会場
庭文庫 @niwabunko
岐阜県恵那市笠置町河合1462-3
🚪告知デザイン
明津設計 @akitsusekkei
🔑写真
百瀬雄太 @niwabunko
庭文庫は、岐阜県恵那市にある築100年以上の大きな古民家を改装した宿/書店です。懐かしいとも違うあの雰囲気を言葉で説明するのは難しいですが、2年前に本のお取り扱いが決まり、どんなところだろうとはじめて泊まりに行ったとき、まるでたくさんの本に囲まれたこの古い家に昔からずっと自分が住んでいたような、不思議な感覚があったのを覚えています。
書店の営業時間が終わり、取り残された自分の存在が寝室とキッチン、お風呂やトイレやその間にある書店空間を何度も行き来するたびに、それぞれの時間で違う本の存在が目に飛び込んできます。
わたしは生活の中で書店に立ち寄る時、いつも少し心を開いてセラピーを受けるような気分になっていることに気がつきました。特に古本と新刊、リトルプレスが交互に目に入ってくるような書店が好きです。ただぼんやりと心を開いて背表紙に書かれたテキストを目で撫でていけば、必ずその時々に自分か求めているものがひときわ光ってみえるような気がします。それを手に取ってくるくると持ち心地を確かめ、それから慎重に目次を開いてこの中に書かれていることを想像しようとすれば、それだけで問題はある程度解決するか、もしくは気付かないうちに問題そのものが取り分けられ、それはもはや問題ではなくなっていることもあるのです。そんな本を買って家に持ち帰り貯蔵するということは、薬草でいっぱいの棚を作るようなささやかな呪術的行為かもしれません。
庭文庫にいる間ずっと、わたしの中ではそのような小さな問題の分解が進んでいるように思いました。落ち葉をふかふかの黒い土に変えるようなことが体の中で起きている24時間。タイトルの「安全な孤独について」という言葉は、寝ている間に突然冬が終わってしまったような、放り出されたようなあたたかい風のある日に残してあったメモから選びました。
展示では、自分にとってのニュートラルな状態を求めてこの1年間作りためていた未発表の小さな陶のオブジェに展示のための新作を加え、また新たな試みとして写真とテキストを使ったドローイングか散歩のような作品も発表します。
金〜月の本屋営業時間内はどなたもご予約なしで展示をご覧いただけますが、関東圏からの日帰りはなかなかハードだと思うので、せっかくなら庭文庫で宿泊してゆっくり見てもらえたらいいなと思っています。お部屋は洋室と和室の2部屋で、和室は大人数でも泊まれるようです。会期中も週末のご予約は埋まり始めていますので、お早めにホームページからご予約ください。予約状況はまた随時シェアしていく予定です。
また今回の展示では、宿という性質上ほとんど在廊はしないつもりです。確実にいるのは初日の5日と最終日の28日です。心配で在廊してしまいがちなわたしですが、わたしがいないということを前提に構成したので、安心して見てもらえたら嬉しいです。
全体的にこれまでの展示よりも散歩に近いものになっているので、きっと今より更に暖かくなっている4月、少し足を伸ばして散歩感覚でお越しください。
